文書作成日:2026/09/01
会社は1年以内に1回、定期健康診断を実施する義務があり、また雇入れ時の健康診断の実施義務もあります。この定期健康診断等の診断項目の取扱いが2027年4月より変更となります。以下では、変更内容と健康診断にまつわるよくある質問を取り上げます。
[1]2027年4月からの変更点
定期健康診断等の診断項目については、労働安全衛生規則で定められていますが、2027年4月から以下の3点について変更が行われます。
- 喀痰検査の削除
- 肝機能検査の酵素名の変更
- 血清クレアチニン検査の追加
これらの改正は、長時間労働と慢性腎臓病発症リスク等との関係や、血清クレアチニン検査で既存項目では把握できない腎機能低下者を把握できること等を踏まえて変更されたものです。 定期健康診断の診断項目の中には医師の判断により省略が可能となっているものがありますが、この省略に関しては、個々の従業員について、健康状態の経時的な変化や自覚症状・他覚症状等を勘案しながら判断することになっています。
[2]健康診断にまつわるよくある質問
以下では、健康診断にまつわるよくある質問を2つ取り上げます。
(1)雇入れ時の健康診断
入社後すぐに定期健康診断の実施があるため、雇入れ時の健康診断を実施せず、定期健康診断を実施してよいかという質問を受けることがあります。これについては、実施目的に違いがあるため、入社後すぐに定期健康診断を実施するからということで、雇入れ時の健康診断の実施を省略することはできません。なお、雇入れ時の健康診断を受けた従業員については、健康診断の実施日から1年間は定期健康診断の実施項目に相当するものを省略することが可能です。(2)再検査・精密検査の実施義務
定期健康診断を実施した後、再検査・精密検査となった従業員について、再検査・精密検査の実施義務が会社にあるのかという質問もよく受けます。定期健康診断は会社に実施義務が課されていますが、この再検査・精密検査については会社に実施義務はなく、厚生労働省が公示する「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」の中で、会社に対して再検査・精密検査の受診を勧奨する努力義務が課されています。 労働基準監督署の調査では、定期健康診断に関して、有所見とされた後に医師等からの意見を聴取していないという是正勧告を受ける事例が多く見られます。健康診断結果が届いた際には、有所見とされた従業員について、医師等から意見を聴取するなど、必要な対応を進めましょう。
■参考リンク
厚生労働省「職場における労働衛生対策」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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